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制作をめぐる言葉 - 2022

 

主に透明な紙に裏から描く手法で制作しています。

絵画の表面と裏の交ざりあいや、絵画の内側にある「内臓」をとらえるために、薄いフィルム紙の裏側から描く手法で、見る側(観客)と見られる側(絵画)の交錯を起こすために描いています。

 

フランス語においてpeinture(絵画)は女性名詞とされています。この「女性名詞」というのは、現実の性とは関係ない文法の割りふりとしての名称でしかありません。しかし私にとって絵画はまさに女性だったことから、この手法のベースができあがりました。

 

描く時、私はいつも絵の裏側にいます。反転した裏面から描くことは、骨から内臓、そしてそれを包む皮膚を描いていくような感覚があります。絵具の層は、粘土で人型を作るのにも似ていて、重ねられるだけでなく、あらゆる方向に混ざり合いながら溶け合っていきます。 実際に人が見ることができるのは閉じられた絵画(からだ)の表面でしかないのかもしれない。 私はだんだんと、表と裏という二つの側面だけでなく、その間にあるものを探しはじめました。

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